労働保険の基本

労働保険には、労災保険と雇用保険があります。

1.労災保険とは

労災保険は、仕事中や通勤時のケガや病気に対して治療費の支給や働けない期間の生活補償をします。また、ケガや病気が原因で障害が残ってしまった場合や死亡してしまった際に補償金が支払われます。

労災保険の対象者

原則として、一人でも社員を雇い入れる場合には労災保険に加入しなければなりません。社員がパートやアルバイトであっても労災保険に加入する必要があります。

労災加入手続きをしていない期間に労災事故が発生した場合でも、被災者に対して労災保険は給付されます。

この場合、故意または重大な過失により未加入であった場合は、保険給付に要した費用の100%または40%が徴収されることとなります。

経営者のための労災保険 Edit

労災保険は社員のための保険です。そのため、通常社長や役員の方は労災保険を利用することができません。

しかし、中小企業では役員であっても、社員と同様の業務を行うことも多いでしょう。その際に業務実態などから、労働者に準じて労災保険の利用ができる仕組みを特別加入制度といいます。

労災保険に特別加入することによって、労災保険からの補償を受けることができるようになります。

2.雇用保険とは

雇用保険は、社員が退職により働くことができなくなった場合をはじめ育児休業者、介護休業者、高年齢者、さらには自ら教育訓練を受けた場合に支給されます。

雇用保険の対象者

雇用保険の対象になるのは次の条件に当てはまる方で、雇用保険の適用事業に雇用される労働者をいいます。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上引続き雇用されることが見込まれること

雇用保険は、平成22年4月1日から法改正により加入する要件が強化されました。このため退職者とのトラブルも増えているので適正な加入をお勧めします。

雇用保険に加入しなくてもよい者

下記に該当する場合は、雇用保険に加入しなくてもよいとされています。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間未満である者
  2. 同一の事業主に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者
  3. 季節的に雇用される者であって4月以内の期間を定めて雇用される者又は一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である者(短期雇用特例被保険者を除く)
  4. 65歳に達した日以後に雇用される者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者除く)
  5. 日雇労働者であって、適用区域に居住し適用事業に雇用される等の要件に該当しない者
  6. 国、都道府県、市町村に雇用される者
  7. 昼間学生

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