会社の社長や役員とはいっても、中小企業の場合は社長も従業員と一緒になって仕事をしていることもあります。従業員と同じ仕事をしている時にケガをしてしまった時には社長でも労災保険を使うことができるのでしょうか。
1.労災保険とは
労災保険は、労働者災害補償保険の略なので文字通り、労働者である従業員が仕事中や通勤時にケガをしたことに対して治療費を支払ったり生活補償をします。また、ケガや病気が原因で障害が残ってしまた場合や死亡してしまった場合に対して補償金が支払われます。
そのため労災保険を受ける際にポイントとなるのは、業務中によるものなのか(これを業務起因性といいます)、業務がきっかけとなるものなのか(業務遂行性といいます)という点になります。
労災保険を受けるためには、労災保険を受ける本人が手続きに関する書類を労働基準監督署に提出する必要があります。また、最終的な判断は労働基準監督署がするということになります。
2.社長や役員の労災保険
労災保険は、本来は従業員のための保険ですから、通常社長や役員の方は労災保険を利用することができません。
しかし、中小企業では社長自ら、社員と一緒になって、仕事をしていることも多いでしょう。このような場合には労災保険に加入することができます。労働者に準じて労災保険の利用が出来る制度を特別加入制度といいます。
社長や役員であっても、労災保険に特別加入することによって、労災保険からの補償を受けることができるようになります。
ただし、仕事の内容が限定されておりあくまでも社長や役員が労災保険を受けるためには、従業員と同様の仕事をしている場合に限られます。