新しく会社を立ち上げたときの社会保険はいつ加入すればよいのでしょうか。
1.新規加入について
株式会社などの法人は社会保険に強制的に加入することとされています。そのため、会社が法人の場合は、法人設立時に合わせて社会保険に加入することになります。
でも、実際にはある程度会社が動き出してから加入するという会社も多く見られます。
もちろんそれまでの期間については、未加入であり厳密に言うと法違反になります。そのため年金事務所などによる事業所の調査によって、指導や勧告を受けることもあります。
2.社会保険に加入する意義
社会保険に加入することは、法律で決まっているからという考え方は言うまでもありません。
でも、長く働く従業員の立場から見てみると、健康保険や厚生年金などの将来に関する福利厚生が整っている会社=従業員の将来を考えている会社、として映るのではないでしょうか。
特に、忙しくなって人手が足りなくなったからと初めて求人をする場合には、求職者は社会保険の加入の有無をチェックしています。
社会保険に未加入の会社は、求人をする場合においても社会保険完備の会社と比べて不利になると言わざるを得ません。
よく「もっと社員数が増えてから社会保険への加入を検討するよ」という社長がおられます。
従業員数が増えるとそれだけ加入後の会社負担額が大きくなりますが、それだけではありません。
社会保険に加入した場合の社会保険料の半額は従業員の負担となります。
会社が社会保険料分の昇給をしないようであれば、手取り額が減ることになります。このため従業員自身が、新たな社会保険料の負担を嫌がるということもよく見られます。
社長としては、従業員の福利厚生を考えて社会保険に加入するのにもかかわらず、目先の手取り額が減るから社会保険に加入するのを従業員が嫌がるようであれば、本末転倒となってしまいます。
会社として、従業員に安心して働いてもらうためにも、なるべく早い時期から社会保険への加入を考えた人件費負担の考え方をお勧めします。