健康保険や厚生年金保険に入らなければならない事業所を適用事業所といいます。
1.適用事業所の考え方
社会保険は、事業所を単位に適用されます。
適用事業所は、法律上当然に適用を受けるか、任意の申請により適用を受けるかにより、強制適用事業所と任意適用事業所に分けられます。
2.強制適用事業所とは
強制適用事業所とは、当事者の加入の意思如何を問わず、法定の条件を満たせば、法律上当然に保険関係が成立する事業所のことを指します。
この法定の適用条件として、以下の要件が必要となります。
- 一定の事業の形態及び種類(限定列挙式による。)
- 原則として一定の従業員数(5 人以上)
3.強制適用となる事業
国、地方公共団体又は法人の事業所又は事務所であって、常時従業員を使用するもの。
- 私法人(公益法人、営利法人、NPO法人)、公法人、特殊法人、外国法人などの種類を問いません。
- 常時5人未満の従業員を使用するものも適用対象とされます。
個人事業であって、常時5人以上の従業員を使用しているもの。
- 物の製造、加工、選別、包装、修理又は解体の事業
- 通常の工場、作業所で行われる事業。
- 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、破壊、解体又はその準備の事業
- 鉱物の採掘又は採取の事業
- 鉱業法の適用される事業等。
- 電気又は動力の発生、伝導又は供給の事業
- 電気、ガス、水力、蒸気、ガソリン等による動力発生に伴う事業。
- 貨物又は旅客の運送の事業
- 鉄道事業法、軌道法、道路運送法及び航空法等に基づく道路、鉄道、軌道、船舶又は航空機による貨物旅客の運送業。
- 貨物積みおろしの事業
- 船舶、岸壁、波止場、停車場又は倉庫等における貨物の積みおろし等の事業。
- 焼却、清掃又はと殺の事業
- 焼却、清掃、消每又は獣畜のと殺の事業。
- 物の販売又は配給の事業
- 物の卸売、小売又は統制部品の配給の事業。
- 金融又は保険の事業
- 銀行法、信託業法、相互銀行法、質屋営業法等による金銭貸付又は保険業法等による生命保険、損害保険等の事業。
- 物の保管又は賃貸の事業
- 倉庫法に基づく倉庫業のほか、貸家、貸室業、貸船業、貸本業。
- 媒介周旋の事業
- 仲介業、問屋業、代理業、証券取引法による証券業、証券取引所の事業その他プレイガイド等の事業。
- 集金、案内又は広告の事業
- 集金業、旅行案内業、広告業等。
- 教育、研究又は調査の事業
- 学校で学問又は技芸などを教授する事業。
- 研究所等で人文科学、自然科学に関する考案及び実験などをする事業。
- 世論調査所、興信所等で調査を営む事業。
- 疾病の治療、助産その他医療の事業
- 病院、診療所、助産所などの医療施設、家畜の診療施設、あんま師、はり師、きゅう師、柔道整復師の施術所等。
- 通信又は報道の事業
- 新聞社、放送局、通信社等が営む通信又は報道の事業。
- 社会福祉事業法に定める社会福祉事業及び更生緊急保護法に定める更生保護事業。
- 母子寮、老人ホーム、保育所、公益質屋、無料診療所等を経営する事業。
- 更生保護会等が行う刑余者に対する更生保護事業。
4.強制適用事業とならない事業
次の事業所については社会保険の強制適用になりません。
- 第一次産業
- 農林業、畜産業、養蚕業、水産養殖業、沿岸漁業等
- サービス業
- 旅館、料理飲食店、下宿、理容理髪、浴場、映画、演劇、興業、貸席、ダンスホール、競馬競輪、ビリヤード、野球場等
- 法 務 業
- 弁護士、弁理士、公認会計士、税理士、公証人、司法書士、
行政書士、土地測量士等
- 弁護士、弁理士、公認会計士、税理士、公証人、司法書士、
- 宗 教
- 神社、寺院、教会