残業させるために必要な手続きとは？

従業員に残業や休日出勤をしてもらうためには、残業代を支払うのはもちろんですが、他にも３６協定の届け出が必要となります。

３６協定とは、労働基準法第３６条に定められているところから（サブロク、サンロク）協定とも呼ばれています。

労働基準法では１週４０時間、１日８時間を法定労働時間と定めているため、従業員にこの時間を超えて働いてもらうためには、時間外労使協定を締結し労働基準監督署に届け出る事が必要となっています。

３６協定の作成

３６協定を締結するためには、次の事項について協議する必要があります。

時間外労働や休日労働は、３６協定を締結した範囲が延長できる限度時間となります。もちろん労使で合意したからといっていくらでも残業できるわけではありません。国が限度基準というものを示しています。

３６協定の限度基準

１週間	２週間	４週間	１ヵ月	２ヵ月	３ヵ月	１年間
１５時間	２７時間	４３時間	４５時間	８１時間	１２０時間	３６０時間

３６協定は、事業場単位で届け出なければなりません。本社の他に支社や支店などがあればそれぞれ３６協定を締結のうえ所轄の労働基準監督署へ提出します。

協定を届け出るために社員代表を選ぶ必要があります。これは、過半数の従業員で組織する労働組合があれば、労働組合が、無い場合には、過半数を代表する者を選らばなければなりません。会社から指示された者や、管理職では代表とはなりません。

３６協定の有効期間は、１年間とすることが望ましいとされています。

３６協定は作成しただけでは、効力はありません。労働基準監督署へ届け出ることによりはじめて有効となります。そのため例えば、有効期間を「４月１日から１年間」とした３６協定を４月２０日に労働基準監督へ届け出ても有効期間は「４月２０日から３月３１日まで」となってしまいます。