今回は平成21年6月に改正された育児・介護休業法のなかで特に注意が必要だと思われる点について書いていきたいと思います。
法改正自体は、3年前なので何をいまさらと思われる方もいるかも知れませんが、これまで常時100人以下の労働者を使用する中小企業については免除されてきました。
これが適用の猶予期間が終了し、いよいよ7月1日からは従業員の人数にかかわらず全面施行されることになった訳です。
人事について専属の担当者がいるような会社であれば、既にご存知な内容かも知れませんが、それこそそんな会社は100人以上の労働者を使用している会社でしょうから心配ありません。
今回育児介護休業法の猶予期間が終了することによって10人の会社であっても適用されることになりますから注意が必要ですよ、というお話しです。
さて早速その内容ですが、一応これまで猶予されていたけれども、今回義務化される点について挙げておきます。
- 子育て中の短時間勤務制度の義務化
- 所定外労働の制限の義務化
- 介護休暇の新設
この中で特に注意が必要なのが、2の所定外労働の制限の義務化だと思われます。
これは3歳に満たない子を養育する従業員が申し出たときは、所定労働を超えて働くことを禁止(要は残業を禁止)したものです。
それでは、これまではどうなっていたかというと、小学校就学前の子を養育する労働者がその子を養育するため請求した場合については「1か月につき24時間、1年については150時間を超えて時間外労働をさせてはならない」とされていました。
つまりこれまでは残業時間の長さについては制限がありましたが、残業させることは可能でした。しかし今回の猶予期間の終了に伴って3歳未満の子と対象範囲は狭まりましたが、本人が申し出た場合には一切の残業をさせることができなくなりました。
適用される条件として、あくまでも本人の申し出が必要となりますが、申し出をしたことを理由として不利益な取り扱いをすることが禁じられていることは言うまでもありません。