中小企業の場合は、経営者が自ら営業などを担当されていることも多いでしょう。当然ながら営業などで外出している間は、会社を不在にすることになります。
経営者が常に会社に居て社員に自分の考えや守って欲しいルールについて、その都度、そばにいて説明することができれば言うことはありません。そうはいっても実際にはなかなか難しいところもあるでしょう。
それでは経営者の考えをつねに社員に伝えるためには、どうすればいいのでしょうか。
口で伝えることができればベストですが、それが無理な場合には文書で伝える方法があります。そうは言っても何度も同じことをメールなどで伝えるのも面倒な話です。そこで登場するのが就業規則です。
就業規則というのは、法律では記載するべき内容が定められています。
常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。(労働基準法第89条)
これは法律で最低これだけは、就業規則に書いておいてください、と決めているのです。それでは就業規則にはそれ以外は書いてはいけないかというと、そんなことはありません。
そこで就業規則に経営者の考えや守って欲しいルールなどを書いておくのです。そうすれば、社員はいつでも就業規則を見ることによって経営者の考えに触れることができるようになります。
法律で定められているからしぶしぶ就業規則を作るのではなく、経営者の普段考えていることを伝える手段として就業規則を作ることを考えてみてはいかがでしょうか。