労働契約書と言うと、入社時に作って渡してそれで終わり、ということも多いのではないでしょうか。もちろん契約内容に変更がなければ、労働契約はそのまま継続しています。それでは、契約内容が変更になった場合には、労働契約書を作ってるでしょうか。
労働契約書は必要に応じて何度でも作成しましょう。
「年俸制の給与額の決定」や「パート社員の時給の決定」をはじめとして昇給、降給を含めて給与の額が変更となった時や給与体系が変更となった時にも労働契約書を作成しましょう。労働契約書は、文字通り契約書です。そのため、会社(社長)と社員(労働者)が互いに署名、捺印をして契約を守ることを約束するというものです。
「労働条件の変更に際して、口で説明してそれで終わり。」これでは、社員もきちっと約束を守ってくれるか不安が残ってしまうことでしょう。
そして小さな不安の積み重ねが不満へとなり、労働トラブルへと発展してしまうこともあります。
労働契約書が必要な時とは
こんなときには、労働契約書を改めて作ることをお勧めします。
- 「年俸制、パート社員」など、給与額が変更となる場合
- 始業、就業等の労働時間や休憩など、時間に関することが変更となる場合
- パート社員から正社員など働き方が変わる場合
- 就業規則そのものを変更する場合
- 異動や職種などを変更する場合
作るのが面倒に感じるかもしれませんが、後からトラブルとなったりすれば、解決するために、膨大な時間と費用がかかることも多く見られます。
もちろん専門家に依頼するのも作成の手間が省ける上、トラブル予防となるためお勧です。
労働条件通知書と労働契約書はどう違うのか
労働基準法においても、労働契約の締結に際し労働条件について明示しなければならないとされています。もちろん口約束で後から実は違っていたということが無いようにしなければなりません。
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。(労働基準法第15条)
労働契約は入社する際に、その内容について労使で合意のうえ、結ぶものです。労使の間で認識にズレがあると、これが後でトラブルの原因となってしまいます。
そのため労働契約の際には労働条件などについてきちんと説明をして、納得してもらいサインをしてもらうことをお勧めします。これが労働契約書という契約書の形をとることの理由となります。労働契約法においても次のように明記されています。
労働者及び使用者は、労働契約の内容について、できる限り書面により確認するものとする。(労働契約法第4条2項)