ブラック企業という呼び方も、一般的になって毎日のように目にします。
最近の就職活動ではブラック企業を避けるため、応募する前に「ブラック 企業名」で検索をするそうです。
そんなブラック企業ですが、近頃では弁護士や司法書士などの士業も注目をしています。このブログにはアドセンスが貼ってありますが、「残業代請求」という広告が入っていることでしょう。
なんで弁護士等が残業代請求に注目しているのかと言うと、これまでいわゆるサラ金業者への過払い金請求を主にやっていた事務所が、過払い金請求が峠を越えので、新たに注目したのが残業代請求なわけです。
それでは、どうして残業代請求に注目をしたのかと言うと、こんな理由があるのです。
残業代の計算は簡単にできる
過払い金請求の場合は、借入金額と利率をもとに機械的に過払い金額を計算することができました。早い話しが弁護士でなくても計算自体は出来るわけです。
残業代の計算についても給与明細とタイムカードのコピーさえあれば、後は残業時間にそれぞれの割増率を掛けて計算するだけなので、機械的に計算出来てしまいます。
そんなわけですから、残業代の計算については事務員さんにでも任せ、弁護士先生は効率よく請求交渉に専念することが出来るわけです。
残業代の請求額が大きい
私が会社勤めをしている時もそうでしたが、多くの会社でサービス残業が行われているのが実態でしょう。1時間や2時間単位できっちり残業代を払っていない会社も多いと思います。
チリも積もればではありませんが、これをきっちり残業時間として計算するとかなりの時間となります。
仮に年間休日が125日ある会社で、1日2時間の残業時間があるものとして計算すると年480時間となります。残業代については2年間にさかのぼって請求することができるので960時間となります。時給1,000円としてで計算してもざっと100万円となってしまいます。
この他にも、遅延利息や労基法でも付加金がありますから合わせて計算のうえ請求してくる場合もあります。
さらに怖いのが、労働基準監督署から是正勧告を受けたりすれば、社員全員に対して遡って残業代を支払わなければなりません。社員が10人もいれば一千万円単位です。
社長が労働法を知らない
学校で習うわけでもありませんから当然なんですが、社長が労働法を知らないということです。創業して営業から管理業務まで幅広くやらなければならない経営者が、労働法を学ぶ機会はありません。ほとんどが出たとこ勝負の対応とも言えるでしょう。それでも法律で決まっている以上仕方ありません。
車を運転していて一時停止に気づかず、警察官に止められて初めて一時停止の標識があったことに気づくのと一緒です。この場合どんなに言い訳しても許してもらえず、違反切符を切られることでしょう。「気がつかない(知らない)あなたが悪い」これですわ。(実体験)
話がそれましたが、残業についても同じです。
たとえ社員と残業代を支払わないことに合意を得ていたとしても、未払い残業代は労基法違反であり、請求されれば大抵の場合は会社側が負けます。
と、このように残業代請求がビジネスとなるには理由があります。会社としては、このような事態に備えることが重要となります。
先日、WindowsXPのサポートが終わりましたが、ある調査では46%の会社がXPを利用しており、そのうち53.5%が今後もこのままXPを使うというニュースが出回っておりました。
ウイルス対策ソフトを入れていれば大丈夫、と思っているようなリスク管理意識の低い会社ほど、残業代請求の労務リスクも大きい会社なのかも知れませんよ。