最近TwitterやFacebookなどで従業員などが、ふざけた行動を公開する行為が問題になっています。
最初に目にしたのがコンビニエンスストアの従業員がアイスケースに入った写真の投稿ですが、その後には模倣したのではと思う程、続けざまに目にするようになりました。
どのケースも当事者たち本人は、軽い気持ちで行ったものであり、ここまで大事になるとは思っていないようですが、本人の考えとは裏腹に名前や学校名などが特定され、さらに問題が大きくなっています。
特に問題が起こった会社においては、店舗の閉鎖や当事者への損害賠償の検討などの事態にまで発展しているようです。
社労士の立場として言うのであれば、「就業時間における服務規律違反として就業規則に規則を定め、誓約書を提出させ、従業員に対して防止のための教育が必要でしょう。」ということなんですが、どうやらそれで簡単に解決するような問題ではないように思います。最終的に、それがいかに重大であるかを伝えなければならないからです。伝わらなければ意味がありません。
これらの行為に対して、誰もが若いころ経験したちょっとした出来心による悪ふざけだから大目に見るべき、中には損害賠償なんて出来るわけない大げさすぎる、と言った意見もあるようです。
確かに従業員が悪ふざけをしたからと言って店舗を閉鎖したり、損害賠償請求をすることは一見すると、行き過ぎのようにも見えます。
ですが、これらの悪ふざけの当事者たちは、悪気がなかったり軽い気持ちで行っているのですから、これではいつまでたっても同様のケースが続くものと考えられます。
被害にあった企業としては、この点を十分に理解しているからこそ、敢えて厳しいとも思える対応を取っているのだと思います。損害賠償請求を検討している企業についても、実際に裁判を起こしても請求できる額は限られていることは分かっているでしょう。
先ほども書いたようにこれらの行為を辞めさせるためには、懲戒ルールを定め、誓約書を書かせ、教育をするくらいしか方法がありません。
また懲戒処分をするにしても、これまで会社が繰り返し指導や教育をしてきたのかがポイントとなります。要はきちんと教育をしてきたかどうかです。
このように従来には、目に触れなかったようなことが問題として起こった場合、過去の例に習った対応を取ることができません。
そのために新しく懲戒処分のルールを作る必要がありますが、だからと言って労働基準法を順守した懲戒処分として1割の減給といっても、当事者の心に響かないでしょう。
だからこそ「軽い気持ちで行った行為が、店舗の閉鎖につながるんだよ。お店が無くなることは君の職場が無くなるだけでなく、他の社員の職場も奪ってしまい、利用して頂くお客様にも迷惑をかけるほど重大な行為なんだよ」ということを理解させることが大切だと思います。
軽い気持ちで行われる悪ふざけに過ぎませんが、不祥事や不始末がインターネット上であっと言う間に拡散してしまう現代だからこそ、早期に事の重大性に気がつくべきだ、という社員教育が必要となるでしょう。
もっとも、SNSにおける事件も増えていますから、企業での教育というより本来は、国をあげて早い時期から学校でインターネットの取り扱いに対する教育の方が先かも知れませんが。