連合総研の調査で、残業代を全額きちんと支払われているのは、2人にひとりだとの結果が出ていました。
この調査は首都圏や関西圏の20歳~64歳の民間企業で働く労働者2000名からの回答だそうです。これによると残業代に未払いがあるのは35.3%、平均時間は月21.3時間とのことでした。
時給1000円として計算してみると、1か月で21,300円、最長で過去2年間に遡って請求する権利があるとしてひとり当たりにつき、511,200円となります。この数字が大きかどうかは判断して頂きたいところですが、これだけ未払い残業代請求されるリスクがある訳です。
また残業代を全く支払っていない会社も6.3%あるようでした。平均残業時間が43時間のようですから、この会社は百万円以上の残業代請求をされるリスクがあるようです。
このように未払い残業代のある会社も問題なのですが、さらには長時間労働者ほど上司が労働時間や仕事の管理をしていないと感じているようです。
会社には労働者が健康で安心して働くことができるように配慮する義務がありますから、長時間労働をほったらかしにしておいて、その結果として精神疾患や万が一のことがあった場合には、安全配慮義務違反として多額の損害賠償請求をされるリスクがあります。
もちろんこれらの調査については、例えば周囲が帰らないために付き合い残業をしているなど、本来は残業をするべきではないものも含まれているかも知れません。ですがその場合には会社が帰宅を促す必要があります。決してほったらかしが許されるものではありません。
残業代を払いたくないならきちんと時間管理をするべきであり、やむを得ず残業をさせるのであれば業務命令として残業をさせて、残業代をきちんと支払うべきでしょう。
いくら会社経営はリスクをとっていくものだからと言っても、このようなリスクは避けるようにして頂きたいものです。