法律では原則として1日8時間を超えて働く必要がある場合には、36協定の締結や割増賃金の支払いを義務付けていますが、そもそも労働時間に当たるかどうか判断に迷うことがあります。
例えば、タバコを吸っている時間やコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる時間はどうでしょうか。
喫煙についてはともかく、新聞を読むことが業務上必要なことであれば、その時間は労働時間に当たるかも知れません。また朝の掃除の時間や朝礼時間などはどうでしょうか。
実際の判断に困ることも多いかも知れませんが、労働時間については次のように考えるべきでしょう。
労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれているかどうかを客観的に判断するものを指し、社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に当たる、とされています。
つまり原則として業務に繋がるようなものは、労働時間と判断するべきでしょう。
それでは、研修の時間についてはどうでしょうか。
研修時間が労働時間に当たるかどうかの判断については、参加することが強制されているかどうか、参加の自由が認められているか、不参加による不利益な取扱いがあるかどうかが労働時間としての判断のポイントとなります。
つまり研修に参加することが強制されていて、欠席することによって労働者に対して不利益な取扱いがされるということであれば、労働時間として考えるべきでしょう。
したがって、業務命令としての研修ということであれば、研修時間については賃金の支払が必要となりますし、それが時間外や休日ということであれば、時間外の割増賃金や休日労働に対する割増賃金の支払いが必要となるでしょう。