会社の仕事が増えてきたから新しく社員を増やしたいけれど、正社員を雇うのはいろいろと負担が大きく大変だから取り敢えずパート社員でも雇うか。パート社員を雇い始めるきっかけは、このようなケースも多いのではないでしょうか。
パート社員を有期契約社員として雇う際には、2つの点について改めて考えてみる必要があります。ひとつめは、その業務は本当にパート社員がするべき仕事なのかということです。
パート社員の仕事というのは本来、臨時的な仕事であるべきでしょう。毎月発生するような恒常的な仕事をしている場合は注意が必要です。
というのも、使用者が契約の更新をしないことを雇止めといいますが、雇止めは契約更新の回数にかかわらず、あくまでも仕事の内容で判断されるということです。極端な話ですが契約更新が1回しかしていない場合であっても雇止めが無効と判断される可能性もあります。
そのため正社員と同じように恒常的な仕事をしているパート社員の雇止めについては、契約している期間が終わったからと言って簡単に契約を終了とすることが、出来なくなるため注意する必要があるでしょう。
もうひとつは、契約更新の手続きを怠らないということです。
通常、契約の更新を繰り返すほどに労働者は、更新されることに対する期待が高まります。そのため契約更新を繰り返す程、契約を終了する場合に注意が必要になると言い換えることもできるでしょう。
また契約更新を重ねると、つい更新手続きを怠るケースも出てくるかも知れません。ですが裁判などで争うことになった場合には、それが契約更新手続きを忘れるくらい、恒常的に仕事をさせていたのだろうと判断されてしまいます。
その結果、正社員などを解雇する場合と同様に、雇止めに対して正当な理由が必要となってきます。もちろん正当な理由が認められなければ解雇権濫用とされ、雇止めが無効となる可能性が高まるでしょう。
解雇は、客観的合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。(労働契約法第16条)
そのためパート社員を雇う際には計画的に行いたいものです。