従業員の人数が少ないときには、就業規則も1つで特に問題となることも少ない場合が多いでしょう。しかし会社の規模も大きくなって従業員の数が増えるに従ってパート社員が増える場合があります。
そうなると例えば退職金の支給については、パート社員には支給したくないなどの都合も出てくることがあるでしょう。
本来就業規則とは、そこで働く労働者全てに適用される性格のものですから、パート社員といえどもそこに退職金を支給すると記載があるのであれば、支給しなければならなくなります。
そこで、新たにパート社員向けの就業規則を作る必要が出てきます。
就業規則を作った後は、会社に労働組合が無い場合には、労働者の過半数代表者を代表する者の意見を聞く必要があります。
そこで問題となるのが、意見を聞くのはパート社員の代表者かどうかという点です。
まず過半数代表者とありますからパート社員が何人いるかどうかで変わってきます。
例えば全社員数が30人そのうちパート社員が10名の会社があるとすると、パート社員の就業規則が適用される人数は10名しかいませんが、過半数代表者となるためには全社員30名の過半数を占めなければなりませんから少なくとも15人以上の代表とならなければなりません。
つまりパート社員の就業規則であっても10名のパート社員の中から選ばれた代表者では過半数代表者となることが出来ません。そのため正社員も含めた全従業員の中から代表者を選び、その者の意見を聞くこととなります。
但しパート労働法では、パート社員の過半数を代表する者と認められる者の意見を聴くように努めるものとされていますし、現実問題としても就業規則規則が適用されるパート社員にも意見を聞いた方が後にトラブルとなるリスクも減ると思います。