社会保険

現物給与となる社宅は報酬にあたるのか

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いつの間にか6月に入り社会保険の算定基礎届の季節です。せっかくの機会なので報酬について書いてみたいと思います。

1.社会保険の対象となる報酬について

社会保険における報酬とは、給与・手当や賞与などの呼び方には関係なく、労働の対価として支払われるすべてが対象となります。税金や社会保険料などを天引きする前の総額です。

ちなみに法律には、次のように書かれてます。

この法律において「報酬」とは、賃金、給料、棒給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。(健康保険法第3条)

報酬は銀行振込みなどの違いはありますが、その大部分はお金で支給されます。でも住居を社宅として会社から与えられるケースがあります。これらの住居については現物給与として報酬にあたります。

そのため現物給与については通貨に換算して報酬として計算します。住居の場合は「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」(厚生労働省告示)にもとづいて時価に換算します。これは都道府県ごとに額が決められています。

2.現物給与となる社宅の取り扱い

住居については1人1か月当たりの住宅の利益の額として平成28年東京都では畳一畳につき2,590円となっています。計算の際に家賃の一部を自己負担して給料から天引きしているのであれば、自己負担を差し引いた残りが報酬となります。

それでは、いくつか異なるケースをみてみましょう。

住居が6畳の社宅では

2,590円×6=15,540円が報酬。1万円を自己負担しているのであれば5,540円が報酬にあたります。

現物給与よりも自己負担が多い

先ほどと同様に2,590円×6=15,540円が報酬ですが、自己負担として2万円をしている場合は自己負担額の方が多いため、現物給与となる報酬に含める必要はありません。

勤務地と住居が異なる県にある

勤務地が東京都にありますが、住居については千葉県にあるような場合については、勤務地となる東京都の2,590円となります。

月の途中から入居した

月の途中から入居した場合は、日割り計算となります。社宅への入居が4月21日であれば、4月分の報酬額15,540円を総日数(30日)で割ることによって日割り単価518円となります。この単価を入居日以降の日数(10日)をかけので、518円×10日=5,180円となります。

居間以外の台所やトイレなどはどのように取り扱うのか

報酬のを計算する際には、居間、茶の間、寝室、客室、書斎、応接間、仏間、食事室など居住用の部屋が対象となります。一方で玄関、台所、トイレ、浴室、廊下など居住用に当たらない部分については計算に含めません。

1ルームマンションで1畳などと表記されていない

住居が洋室などの場合は、1畳あたり1.65㎡と換算して計算します。10㎡の住居であれば10㎡/1.65×2,590円=15696.9696となりますが、1円未満の端数を切り捨て15,696円になります。

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