働き方

イクメン議員にみる出産・育児の理解の低さ

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自民党の宮崎衆院議員が子育てに取り組みたいとして、来年の1~2か月間において「育児休暇」を取る意向があるとして話題になっています。

その理由としては、国会議員には育児休暇の規定がないこと、休暇期間における報酬の取扱い、選挙で国民の代表として選ばれていること、大きくこの3つでしょうか。

個人的には、自分の裁量で仕事量もコントロールできる訳だし、そもそも4年間という限られた期間しかないのだから、自分が休むことよりも、どうしたら国民が育児休業をスムーズに取れるようにするかの仕組みを法律化してくれた方がいいような気もするけど、若手議員に求めるのは難しいかな。

もちろん周りの議員からも賛否両論でており、これをきっかけとして育児休業が国民の間でも取りやすくなる方向に進むことこそ意義のあることだと思います。

妊娠・出産に関する取得率は増えているけれど

女性の育児休業の取得率の取得率は平成25年度には、76.3%と若干下がりましたが、それ以前をみると80%を超えており、一見するとかなり普及している感があります。

 

それでもまだ、妊娠や出産を理由として退職を迫るなどのマタハラが話題になっています。厚生労働省が妊娠・出産した女性を対象とした調査によると、正社員の21%・派遣社員の48%がマタハラを経験したことがあると回答しています。

不利益取扱いの原因をみると、妊娠・出産したことそのものに理由があると感じているようで、当人が休むことによって実質的に負担がかかるといういうことよりも、出産・育児に対する理解そのものの低さが表れています。

 

ちなみに誰が言っているのかというと、職場の直属上司や直属よりも上位の上司となっています。今回の議員のケースと同じですね。

 

不利益取扱い行為の内容をみると「迷惑」「辞めたら?」等、権利を主張しづらくする発言が最も高くなっています。

 

ちなみに同議員に対する批判には「みなに迷惑をかけないように良識的な判断を」と牽制する議員の声もあったようです。どこも同じですね。

法としての育児休暇のテコ入れ

これまで、育児休業の取得率をアップさせるために、平成26年4月から育児休業の給付率を引き上げており、休業開始から6か月間については休業前の賃金の50%から67%とされています。

さらに母親が6か月の育児休業を取得した後に、父親が6か月の育児休業を取得することが可能になり、これまで子の1歳の誕生日までとされていたものが延長されて1歳2か月まで取得することができるようになりました。

こちらの法改正には、男性の育児休業の取得率アップもあるようですが、男性の育児休業取得率はようやく2%台とまったく進んでいません。

出産・育児をあたりまえに取れるようになるには

今後、日本では少子・高齢化が進むと言われて随分たちますが、解決方法は出生率の増加しかありません。

そのためには、保育園など子育てしやすい環境整備とともに、周囲の理解が必要なのは言うまでもないことです。

先の調査では、就業規則等に明文化された育児休業制度の規定のある事業所の方が不利益な取扱いが低くなっています。

 

結局のところ、法律などによるルール化によって出産・育児に対する不利益な取扱いを禁止することが、徐々にではありますが、周囲の理解へとつながるようです。

ひとりの議員の育児休暇をめぐって国会議員同士が賛否両論を繰り広げている現状は、民間企業における理解の低さと同じ構図であることがよく分かるニュースでしたが、今後の日本を考える政治家のみなさまにおかれましては、前向きに育児休業を促進するための法整備をお願いしたいと思います。

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