NEWSPICKSを眺めていたら気になる記事を見つけました。
上司に対して「了解です」と返事をすることに対するものです。
記事のエントリーにあるイメージ写真がLINEなので、LINEでの対応に引っ張られる点もありますが、仕事のメールや対面でも使われることがあります。
自分の場合は、相手との親密さなどに応じて「かしこまりました」や「承知しました」などとあわせて使い分けています。
NEWSPICKSでの意見をみると、「上司に対して尊敬語使わなければならないくらい偉いのか」や、上司の側も「別に気にしない」から「そもそもそんなことを気にすることさえ無駄などうでもいい内容」的な発言まであります。
ちなみに元の記事には、次のようなことが書かれています。
【ついに決着!?】上司に「了解です」と答えるのは本当に失礼なのか?
問題提議
- 「了解です」を目上の人に対して使うのは失礼だという声がネットを中心に上がり始めています。
調査結果
- 上司が不快に感じるのは約10人に1人
- ほとんどの人は何も感じない
調査で出てきた意見
- 不快に感じない理由として多かったのは「そもそもマナー違反とは知らなかった」
- 知っていた人も、時分が用いるときは気をつけるが、言われてもたいして気にならない
- 対面では気にならないが仕事のメールではまずい
- LINEであっても「了解です」だけだと少し寂しいので顔文字や絵文字があってもいいのでは
まあ確かにマナーの問題ではあると思うのですが、大切なのはマナーの問題だと理解しているかどうかだということです。
元の記事を見る限り、ほとんどの人は何も感じないが、1割は不快に感じる人がいるようです。結局のところ上司や部下などの上下関係はともかく、不快だと感じる人に対しては使わないようにするということがマナーでしょう。
「了解です」は敬意表現にならないか
それでは「了解です」という言葉が敬語表現がどうかについて調べてみると、どうも待遇を表す要素は含まれていないようです。
「了」には「解」と同じように「よくわかる・さとる」という動詞の用法があります。ですから、この二字の漢字は、類似の動詞を重ねた言い方になっていると思われます。少なくともそこには、待遇を表す要素は含まれていません。
本来待遇の意味を含まない「了解しました。」が、どうして「ぶっきらぼう」に感じるのか、と探求しても、理屈ではっきりとは説明はつかないけれども、おそらく無線通信や業務・作業の際の返答の用法が、なにかしら影響を及ぼしているのかもしれない、といった程度で、明確には分からないままです。
国語辞典のなかには、ぶっきらぼうで敬意が不足しているので慣用になじまない、という注を与えているものもあるようですが、結局のところは、なんとなく表現が硬く感じるあたりが、人によって不快に感じることもあるというところです。
セクハラやパワハラも想像力
「了解です」という言葉自体に待遇を表す要素が含まないので、これを上司に対して使うことが問題があるわけではありません。その一方で、一定数不快に感じる人がいるということも事実です。
結局のところ、言葉を使うことによって相手がどのように捉えるかを想像することが大切だということでしょう。いくつかの表現方法があるので、その中で相手によって使い分ければいいと思います。
表現方法によって、相手が不快に感じる場合があるということを知っている上で使い分けるのであればいいのですが、想像力を働かせる元となる知識がなければはじまりません。
これは、マナーの問題であり教育の必要があるでしょう。敬語などの表現は相手が不快な思いをしないために使うものであり、知らないのであれば学ぶべきだと思います。
もちろん人間関係を円滑に進める上での問題として、企業の中でも取り組むべきものでしょう。
相手が不快に感じるか否かという点では、セクハラやパワハラについても同じことが言えます。直接的な表現を除いて、相手がどのように捉えるかによって判断が分かれる抽象的なものだからです。
その表現を使うことによって、相手が不快に感じるかどうかを想像できるようになることによって、セクハラやパワハラの予防にもつながっていくと思います。