ちょうど半年位前に政府が厚生年金保険に未加入の企業に対して加入促進をするというエントリーを書きましました。
こちらのエントリーについては、日本経済新聞の記事を参考にしながら書きましましたが、実施時期については「データの照合作業が終わり次第、来年度にも加入逃れが疑われる全事業所に加入を求める。来年度から数年で全事業所が厚生年金に加入することを目指す。」とされていました。
その後、「具体的な話しはどうなっていたっけな」と思っていたところようやく具体的な話しが出てきました。
平成27年度予算案の中で、新年度に実施が予定される措置についての発表がありました。読んでみると日経新聞とは数字が違っている部分もあるようですが、公表された内容をご紹介します。
この資料では、国民年金の保険料収納対策の促進及び厚生年金保険の適用促進(加入促進)策に関して、平成27年度の予算案の中で101.6億円を措置されているとなっています。
具体的には、
法人登記簿情報の活用により把握した適用調査対象事業所に対する加入指導等に集中的に取り組む。特に国税庁からの情報提供により稼働実態が確認された適用調査対象事業所については、日本年金機構職員による対応を基本として、3年間で集中的に加入指導等に取組む、とされています。
資料をみると、法人登記簿と厚生年金適用事業所との不一致情報が約240万事業所あり、その中で源泉徴収義務者と厚生年金適用事業所との不一致情報として、約40万事業所となっています。
この国税庁から源泉徴収義務者として情報提供された事業所は、給与の支払いがある者を雇用している事業所であり、厚生年金に加入対象となる可能性が高いため、3年間で集中的に年金事務所によって加入指導に取組むとされています。
さらに年金事務所にて既に把握している調査対象事業所が約35万事業所あるようです。日経新聞の記事で約80万事業所となっていたのは、この数字を合わせたものなのでしょうか。
なお残りの約200万事業所については、可動実態のない休眠法人やペーパーカンパニーである可能性が高いため、外部委託等による対応を基本として事業実態の把握や、文書又は電話による加入勧奨に取り組むとあります。
今後、マイナンバー制度も導入されることによって社会保険への加入状況が個人番号とつながっていきます。こちらからの情報についても社会保険の未加入事業所への対策が出て来ることが予想されます。
ますます企業としては、社会保険への適正な加入が求められるようになっていくでしょう。