前回に引き継いて「考えてみませんか」シリーズです。
求職者が仕事を探す際、まずは給料の額に目を向けると思います。
給料がいくらか、それに見合った仕事内容なのかを考えるでしょう。もちろん給料を多く支払うことができるのであれば、求職者にとって望ましい会社と言えるかも知れません。
それでは給料が高い会社が良い会社なのかというと、これはその人なりの求める基準によってかわります。
高い給料でも仕事が忙しく帰りも毎日遅く終電で、休みもなかなか取れないような場合は、独立するための勉強の期間だと割り切って働くのであれば構わないかも知れませんが、ずっとそのペースが続くのであればよく考えるでしょう。
結局のところ独立なども考えていない大多数の人は、給料は生活していけるだけであって、残業や休みもそこそこ程度の会社が働きやすい会社と感じるような気がします。
迫り来る少子高齢化の波
最近よく耳にするのが、少子高齢化が進むなかで社員の確保が難しくなっているという話です。政府は外国人労働者などと言っていますが業種によるでしょう。もっとも安い給料しか払えないから外国人労働者というのも対処療法的であって、根本的な問題解決にはならないと思いますが。
いずれにせよ労働者が減少するのであれば、会社にとって必要な人材に長期的に働いてもらうことが望ましいこととなるでしょう。そのためには社員がメリハリのあるオン・オフを過ごすことが重要です。
ここでオン・オフのメリハリの基準となるのが残業と休暇の取得状況になります。
言いたいことはわかるけど「どのように取り組めばいいのかよく分からない」という会社向けに厚生労働省では、「働き方・休み方改善指標」というパンフレットを作成しています。
働き方・休み方改善指標を活用しよう
社員の働き方や休み方を見直すためには、労働時間や年次有給休暇の取得率のみに目を向けるだけでなく、労働時間や休暇に関する人事管理の制度や具体的な取組などの実施を構造的かつ体系的に把握することが大切です。
働き方・休み方を把握するためのツールとして「ポジションマップ」と「レーダーチャート」が用意されています。
ポジションマップでは、年次有給休暇の取得率と週における60時間以上の労働時間の割合によって自社の働き方や休み方の改善の方向性を確認することができます。
一方のレーダーチャートでは、「改善促進の制度化」「仕事の進め方改善」など8つの指標によって働き方や休み方に関する取組みや導入している制度、人事管理の仕組みなどの実施状況や整備状況を数値化して課題を分析することができます。
また、制度として「ノー残業デー」などを設けても社員の意識が変わらなければ状況は変わりません。このパンフレットではさらに社員向けの改善指標が紹介されています。
この社員向けの「働き方についてのチェックリスト」を活用することによって、社員の意識の持ち方だけでなく業務プロセスの見直しにつなげることができます。
人は何のために働くのかという哲学的なテーマはさておき、創業経営者と異なって、多くの社員は、生活していけるだけの収入があって適度な残業と休みを過ごすことができれば、会社に対する満足度は高くなると思います。
ワークライフバランスや残業代ゼロの声を聞きますが、今後ますます効率的な働き方・休み方が問われるようになるでしょう。