大阪府警で、パワハラやいじめを苦にした男性巡査長が自殺するというニュースがありました。記事によると巡査長は配属以降、ミスのたびに上司から「何回言うたら分かるねん」と罵声を浴びせられたようです。
また、酒席では、その日買ったばかりの腕時計を「防水機能があるから」と焼酎やビールの入ったグラスに落とす、帰り道では腕や肩を数回殴られ、回し蹴りされるなどの暴行を受けていました。
記事の後半部分については、子どものいじめと変わらない陰湿さであり問題外とも言える行為ですが、前半にあるミスの際の注意の仕方の部分については、注意のやり方によってはパワハラになってしまうという参考にもなるでしょう。
教えても要領を得ない社員というのはいるものです。教える側は、自分では簡単にできるわけですから見ていて歯がゆい気持ちも分かります。ですが、行き過ぎた指導はパワハラになってしまう、という自覚を持たなければなりません。
せっかく採用した社員が自殺はともかく、パワハラを苦に退職してしまうようであれば上司の仕事はいつまでたっても楽になりません。
そうは言っても、これまでも同じやり方で指導してきたし、そもそも何がパワハラに当るかどうか分からないという気持ちもあるかもしれません。
厚生労働省ではパワハラ対策として「あかるい職場応援団」というサイトを開設しています。
こちらには管理職自身や会社でパワハラ問題についてのチェックリストがあるので、チェックしてみてください。
以下は管理職用のチェックリストですが、書かれている項目に複数当てはまるとパワハラと判断される可能性が高くなるそうです。
- 部下や年下の人から意見を言われたり、口答えをされたりするとイラッとする。
- 自分が間違っていたとしても、部下に対して謝ることはない。
- 自分は短気で怒りっぽいと思う。
- 感情的になって、すぐその場で叱っている。
- 厳しく指導をしないと、人は育たないと思っている。
- なんとなく気に入らない部下や目障りと感じる部下がいる。
- 仕事のできない部下には、仕事を与えないほうが良いと思う。
- 業績を上げるためには、終業時刻間近であっても残業を要請するのは当然だと思う。
- できる上司は、部下の家庭環境などプライベートな詳細情報まで把握しているものだと思う。
- 学校やスポーツで体罰をする指導者の気持ちは理解できる。
「口答えされたりするとイラッとする」、これなんかかなり当てはまりそうです。あぶない。
指導がパワハラになってしまうかどうかは、指導を受ける側の気持ちや、その後のフォローの有無にもよるので一概に言えない部分があります。でもここが大切ですが、そもそも本人にパワハラかも、という自覚がなければそれを改めるのも難しいものがあります。
専門知識のある方を呼んで、社内でパワハラに対する研修をすれば良いのかもしれませんが、時間や費用の問題もあるでしょう。同サイトでは、「動画で学ぼうパワーハラスメント」というページも用意されています。
まずは、こちらの動画を参考にパワーハラスメントについて考えてみてはいかがでしょうか。