有期労働契約

有期契約社員ならいつでもクビにできるか

更新日:

このところ有期労働契約に関して取り上げられることが増えています。

どうやら弁護士や公認会計士など収入の高い専門職に限り、契約期間を5年から10年に延長する、定年退職後の高齢者については、有期雇用で5年経過後は無期雇用とはならず、改めて1年単位などの有期契約とするという方向で進んでいるようです。

有期労働契約者についてはパート社員などの短時間労働者であれば、臨時の社員として正社員との区別がつきやすいのですが、仕事の内容が正社員と変わらないとなると、フルタイムの契約社員と正社員との違いが曖昧です。

当初は、有期労働契約は正社員を補う臨時の仕事をしてもらうための制度として、失業者を減らし雇用機会を増やすために作られたのでしょう。

ところが正社員よりも給料が安く済み、解雇ができない正社員に対して業務量の調整弁としての役割が強調されています。

もちろん有期労働契約者の中には、正社員よりも勤務時間が短かったり、勤務日数が少なかったりするなど働きやすい場合もあり、自分から進んで有期労働契約を選ぶ方もいることでしょう。

一方で正社員の仕事に就きたいけれど、募集がないので生活のため仕方なく有期労働契約を選んでいる方もいるでしょう。このような方にとってはいつ契約が打ち切られるか分からない不安を抱えるていることでしょう。

このように立場の異なる労働者がいる中、非正規という枠の中で有期労働契約ということで、一緒に扱われていることがそもそも問題ですが。

国の方針としては給料はともかく、契約期間が終わったからと言っても手続きを怠っている場合には、契約を終わりにすることができないようにと法律が改正されています。

有期労働契約社員を雇う場合、もともと契約期間中の解雇はかなり制限されています。さらに期間終了時の契約解消も厳格な手続きを求められるようになっています。

つまり、有期労働契約の社員を雇う理由が、給料が安くていつでもクビにすることができるからという理由であれば、それが認められることはないということです。

本来、有期労働契約の社員を雇う場合は、確実になくなるような臨時の仕事であったり、契約更新しない場合には、その旨きちんと伝えるようにしていなければなりません。

もし、正社員は解雇できない、有期労働契約社員であれば解雇ができるからという理由で、雇用するようであれば注意が必要です。

-有期労働契約

Copyright© リンクス社労士事務所 , 2024 All Rights Reserved.