さて今回は、社員が勝手に◯◯した(している)場合に会社としてどのように対応すればいいのかについて書いてみたいと思います。
社員が勝手に会社に来なくなってしまった
まずは社員が会社に来なくなってしまった場合の取り扱いについてです。
連絡もなく会社を休み無断欠勤が続いた時は、腹も立つので懲戒処分や懲戒解雇といきたいところでしょう。特に人員に余裕のない場合は補充採用のこともあるし、すぐにでも解雇としたいのが本音だと思います。
ところが無断欠勤を理由として解雇通知書を送ると、逆に不当解雇と言われる可能性もあります。
無断で会社を休んでいる状態と言っても、本人の意思なのか事件や事故に巻き込まれたのかの両方が考えられます。
そのため一定期間は様子を見た方がよいでしょう。また、解雇とするよりも就業規則などを作って自動的に退職扱いとなるようにする方がいいでしょう。
社員が勝手に残業している
特に指示している訳ではないけれど、いつも終業時間が過ぎても仕事を続けている社員がいる場合です。
会社の言い分としては、社員が勝手に残って残業をしているのだから残業代を支払わないといきたいところでしょう。でもこれは残念ながら本人が同意をしていても通用しません。
労働時間というのは、使用者の指揮監督下にある時間を指します。そのため自主的な残業であっても、会社が残業を黙認している状態では、黙示の残業指示があると判断されています。
つまり、会社として特に指示をしていないからと言っても残業を黙認しているようであれば、その時間は労働時間となります。法定労働時間を超えるようであれば割増賃金の支払いが必要です。もちろん残業代を支払わなければ未払い残業代となり労働基準法違反です。
社員が勝手に休職を申し出てきた
例えばうつなどの精神疾患にかかったから、と診断書を持って休職の申し出をしてきた場合はどうでしょうか。
休職については、法律で特に定められていません。そのため、休職制度を設けるかどうかは会社の裁量で決めることができます。一般的には休職制度を設ける場合、就業規則などにおいて定めることが多いでしょう。
会社に休職制度が無い場合は、社員が労務の提供をすることができないことを理由として労働契約を解約することになります。
そうは言っても、これまで会社のために頑張っている社員の労働契約を解約するのも抵抗があることです。休職制度はこのような際の解雇を猶予する制度としての位置づけとされています。
他にも社員が勝手に◯◯していて、その対応に困るようなケースがあるでしょう。独自の判断の結果としてトラブルが大きくなる可能性があります。その前にいちど社会保険労務士に相談されることをお勧めします。