よもやま話

たまにはマズローの話を考えてみる

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もうすぐ社会保険労務士の試験の時期ですが、私が合格したのは平成15年なのでもう10年も前のことになります。

受験生の当時、苦手科目のひとつに労働に関する一般常識がありました。その理由は、ともかく範囲が広いので浅く広く勉強する必要があるからです。

大体は試験が終わると忘れてしまうのですが、一般常識の中で今でも関心があるものがあります。
それは行動科学による人間関係論の中で、マズローの欲求5段階説というものです。

wikipediaより

心理学者のマズローは、人間が何らかの欲求を持ち、これを充足しようとして行動すると考え5つの欲求に分類しました。この5つの欲求はそれぞれ次元が異なっていて、低次元の欲求が満たされるとより高次元の欲求が現れてくるというものです。(低次元の欲求が満たされるとより高次元の欲求が現れてくるという点については、否定的な意見も多いようですが。。。)

具体的には、次のようになります。

  1. 生理的欲求 衣食住、睡眠等に対する欲求
  2. 安全・安定の欲求 身体・生活の保護、保障を受けたいという欲求
  3. 社会的欲求 集団への所属・仲間からの受け入れという欲求
  4. 自我の欲求 達成感や自立を求める、好評や尊敬を受けたいという欲求
  5. 自己実現の欲求 自分自身の能力を発揮し、創造的でありたいという欲求

なぜ、このマズローの5段階欲求説に関心があるのか、と言うと社員のモチベーション管理に関係があるからです。

分かりやく言うと、生理的欲求や安全・安定の欲求は、生活のために仕事をし、安定した生活が保障されることによって満たされるものです。

社会的欲求は、会社の一員として所属することによって満たされます。

次の自我の欲求は、会社や職場内において承認され、評価されることによって満たされます。

最後の自己実現についても、自分の持てる能力を十分に発揮し、チャレンジし続けることによって満たされるものです。

これらのいずれかの欲求が満たされないことが続くことによって、社員はやる気をなくして退職してしまいます。

中でも特に重要なのが、社会的欲求と自我の欲求だと思います。良好な人間関係の会社に所属して、その会社の仲間と切磋琢磨して称賛されたいという欲求でしょう。

退職の理由として給料が安いからと気にしている経営者もおられますが、決して給料が高い会社が良いということではありません。

人によっても異なるとは思いますが、給料が安くても生活が出来るようであれば、文句を言いながらもそれを理由として辞めるケースは少ないように思います。

それよりも、いじめや嫌がらせはもちろんですが、会社内で自分の裁量が認められなかったり、努力が報われないと感じた場合に退職するケースが多いのではないでしょうか。

それぞれの欲求を満たす方法には、さまざまなやり方があると思いますが、これらのことを意識して制度や仕組みを考えてみてはいかがでしょうか。

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