先日、日本生産性本部による平成25年度新入社員の「働くことの意識」調査結果が発表されました。
これによると第一志望の会社に入れた者は昨年の60.9%から52%に低下し、2009年の調査以来、最低となったようです。
その理由として予想されるのは、採用を絞った企業が多かったため、学生にとって厳しい就職活動だったことです。就職浪人は避けたいために、とりあえず内定をもらうことを重視する傾向が強まったものと思われます。
つまり2人にひとりは、第一志望ではない会社だったけれども、なんとか内定をもらえたから入社したというようです。同調査の中で「定年まで勤めたい」と答えた割合は30.8%となり、過去最高を記録した昨年(34.3%)に比べて3.5ポイント減少していました。これでは入社時点でモチベーションの低い社員がいるのも、仕方のないことなのかも知れません。
また、同本部では毎年の新入社員の特徴を捉えてネーミングしております。今年のタイプについては「ロボット掃除機型」ということでした。
その理由としては、一見どれも均一的で区別がつきにくいが、部屋の隅々まで効率的に動き回り家事など時間の短縮に役立つ(就職活動が2か月短縮されたなかで、効率よく会社訪問をすることが求められた)。しかし段差(プレッシャー)に弱く、たまに行方不明になったり、裏返しになってもがき続けたりすることがある。能力を発揮させるには環境整備(職場のフォローや丁寧な育成)が必要、とのことでした。
どうやらモチベーションが低いうえに継続的なフォローが必要なようです。
多くの企業では人員に余裕がなく、少ない人数の中で成果を出すことが求められています。そのため新入社員フォローが十分に出来ていないこともあるかも知れません。
新入社員を採用するメリットは、会社の色に染まっておらず、まじめに仕事に取り組む姿勢にあると思います。周りで働く人もその姿勢に影響を受けたり、新入社員に仕事を教える中で業務に対する工夫などが出てきます。ブラック企業と呼ばれる会社の中には、新入社員がまじめに仕事に取り組むことを見越して長時間労働や無理な目標を与えているようです。
今後、少子高齢化が進むとされていますので、だんだん新入社員の採用は難しくなっていくものと思われます。無事に新入社員を採用できた会社様は、継続的なフォローなど手間がかかるかも知れませんが大事に育てて頂きたいと思います。