日本政府は国連の社会規約委員会から、長時間労働や過労死の実態に懸念を示したうえで、防止対策の強化を求める勧告を受けていたようです。
「多くの労働者が非常に長時間の労働に従事し、過労死が発生し続けている」と指摘し、「長時間労働を防ぐ措置を強化し、労働時間の制限に従わない事業者らに対し予防効果のある制裁を適用する」よう強く求められています。
この勧告には法的な拘束力はないものの、対策の実施状況について定期的な報告を求められるものだそうです。
過労死については、海外でもそのまま通じると言われているほど有名なキーワードとなっています。裁判でも争われ企業側に厳しい判決が出ているのにもかかわらず、無くなることはありません。
労働法をみても、時間外労働を禁止しているのにもかかわらず、時間外労使協定を届けることによって、現実には青天井で残業をすることが可能となっています。
労働基準監督署についても残業代が未払いであれば、指導や是正勧告をしますが、長時間労働そのものについては現実的には黙認しているケースも多いように感じます。
確かに繁忙期など特別な事情がある場合にはやむを得ない場合もあると思いますが、長時間労働がずっと続くことが前提となるようであれば、やはり仕事の量や配分に問題があるでしょう。
国際化の流れで安い人件費に対応するためにも、長時間労働もやむを得ないという経営者もいるようですが、同じ社員が長時間労働を続けることは無理があるものです。
ワーク・ライフ・バランスという言葉を聞くようになってだいぶ経ちますが、まさに仕事と命を天秤にかけて働いている現実があります。
今後、労働人口が減っていくなかで、社員の責任感に依存した仕事の進め方から、効率的に仕事を進め長時間労働を少しでも減らしていく方法を考えて行かなければならない転換期にきているのではないでしょうか。
アベノミクスによって日本が注目を集めているようですが、その働き方も注目されているようです。