安倍首相が企業の育児休業制度を、最長1年半から3年に延ばす考えがあるということで、賛否両論があるようです。
会社として3年も育児休業を取られても困るという声だけでなく、労働者としても3年も育児休業をすることによるブランクが職場復帰に際して不安だという声も多いようです。
現実問題として3年間のブランクというのは、労使双方に負担となるのかも知れませんが個人的には、この延長には賛成しています。それは育児休業の延長は、選択肢を増やすことになるからです。
確かに3年間の育児休業は受け入れ企業には負担に見えるかも知れませんが、現在の育児休業制度においても社会保険料などは免除されており、現実的な企業負担はありません。
また育児休業を取る社員の代わりを採用するなどの負担については、期間が1年から3年になったところで変わりありません。
一方で労働契約法の改正により、有期雇用契約が5年を超えた場合には、申し出により無期雇用となるようになりました。
そのため会社によっては、有期雇用契約については最長5年を超えないように配慮が必要となっています。
育児休業の代替要員として3年間に限定して採用することは、期間を限定して採用したい会社としては、それらしい理由として考えられるのではないでしょうか。
また、育児休業が取りづらいため子どもが生まれるために退職するケースもあります。しかし今後少子高齢化が進むことによって労働者の確保が問題となることが考えられます。
そんな時に会社のことをよく知っている社員の籍が3年間残り、その後復職できるようになれば、採用や教育コストも減らすことにつながるでしょう。
ポイントとしては誰もが3年間の育児休業を義務付ける訳ではない点です。
預け入れ先の保育園もあり、労働者本人がブランクを避けるためにもなるべく早く職場復帰を希望することもあるでしょう。また事情によって直ぐに職場復帰できない場合もあるでしょう。
このように個人的な事情も考慮した上で3年間の猶予があることによって、本来であれば退職しなくても良い社員が増えることの方が、会社にとってはプラスとなるのではないでしょうか。
昇給などは原資が必要となるため難しい場合もありますが、休暇制度については特に費用負担が増えるものではありません。
社員の選択肢が広がることによって、社員に優しい会社として注目されるようになっていくものと思います。