香川県が特産品のうどんをアピールするためにうどん県として売りだしているのが話題になりました。CMもインパクトがあり、食べに行きたくなりました。
さて、そんな香川県ですが香川労働局が行った労働実態調査によるとおよそ9割のお店で労働関係の法令違反が見つかったようです。
この数字は、全国の飲食業を対象にした同様の調査結果を10ポイント以上、上回っていました。具体的には次のようなものです。
労働条件の通知がなかった
- 賃金や労働時間などの労働条件を明示する義務を怠っていた。
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。(労働基準法15条)
残業代の支払いがなかった
- 仕込みのために午前5時以前から働いている人に時間外労働手当の支給がなかった。
使用者が午後10時から午前5時までの間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。(労働基準法37条4項)
健康診断を行なっていなかった
- 定期健康診断を実施していなかった。
事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならない。(労働安全衛生法66条)
うどん店は忙しさのピークが短時間に集中するため、他の飲食業に比べ短時間のパート社員が多いことが違反率の高さに反映しているようです。
また夏休みなどの繁忙期に近所の人や知り合いにちょっと手伝ってもらうこともあるでしょう。そのため雇う=労働契約としての意識も無かったのかも知れません。
どれも些細といえば些細なことかもしれません。おそらく経営者も悪気があって違反していたわけではないケースが多いでしょう。
そうは言っても法律で判断する限りは白黒がつくものばかりです。いくら経営者が知らなかったとはいえ、悪意を持った者が入り込めば未払い残業代の請求など、それこそ経営に支障をきたす事態を引き起こしやすくなります。
たとえ知らなかったが通用しないことは、人情的には寂しい思いもあるかもしれませんがご注意頂きたいと思います。