ここでは労務リスクを管理するとして、労務管理に関する注意点などを書いていますが、そもそも労務リスクとはどのような事を指しているのか改めて考えてみたいと思います。
金持ちになりたい、企業経営を通じて世の中を元気にしたい、貢献したいなど、会社を立ち上げたときには目的があったことでしょう。一人で目標を達成するのは大変ですから、多くの場合は従業員を雇って、組織として目標達成のために取り組まれているのではないでしょうか。
従業員の数も少ないうちは、社長の考えもすぐに伝わり、会社もまとまっていることでしょう。ですが従業員数も増えてくると社長の目の届かない部分が出てきて、それに伴って良からぬ事を考える従業員も出てくる可能性が高くなります。
例えば創業したばかりの時は、時間など特に気にしないで成果を出すことだけに集中していた、この時の気持ちのまま会社が大きくなってしまうと、うちの会社はサービス残業ばかりで・・・という未払残業のリスクが出てきます。
または、従業員がそれぞれ就業時間を気にしないで昼過ぎから深夜まで仕事をしてきたのであれば、あの社員については遅刻しても許されるのに自分は...など社員間のモラルに関するリスク。
社長と喧嘩別れをした場合には、独立して同じ仕事を始めるリスクなどが考えられます。
ひとたびこのような問題が起こると、それに対応するために社長の貴重な時間や弁護士費用など、本業とは関係の無い部分でのコストが発生する可能性が高くなります。
これらの問題の悪いところは、解決のために一定のお金を従業員が受け取ったりすると、それが他の社員にも波及する可能性があるということです。
こうなってくると何のために会社をやっているのか、分からなくなってきてしまいます。
一見すると遠回りや無駄なようにも思われますが、目的を達成するために始めた会社が上手くいくようにするために意識を持つということも、決して無駄なことではないと言えるのではないでしょうか。